Gaming disorder
世界保健機関(WHO)は25日、ゲームのやり過ぎで普段の生活を送るのが難しくなる「ゲーム障害」を依存症という病気であると正式に決めました。ゲーム障害になりやすいのは、子どもや若者です。ゲームとどうつきあうか注意が必要です。
オンラインゲームに夢中になる人が増えたのは、スマートフォンやタブレットで気軽にプレーできるようになったからです。
鹿児島市内で診療所を開く心療内科の医師、増田彰則さん(67)は、鹿児島県内の小中学生らを対象に、アメリカの医学会の基準を使ってネットゲームと睡眠についてアンケートを取っています。2018年度調査でネット・ゲーム依存の疑いがあると判定された小学校低学年の男子(保護者が回答)は20%、高学年男子は18%に達しました。
子どもがゲーム依存になりやすいのは、脳が未熟で発達段階にあり、大人よりゲームの刺激を受けやすいためです。ゲーム依存症になるまでの期間が大人より短く、逆に回復はしにくいため、深刻です。対戦型ゲームで競う「eスポーツ」は将来はオリンピック種目にとの声もあり、人気が出ていますが、この練習でも、子どもの場合は、時間などの管理が必要と指摘されています。
ゲーム依存には、のめり込んで生活が乱れるだけではない怖さもあります。
<ゲームをする時間を決めても守らない小学2年男子。やめさせようとする母親に暴言や暴力を浴びせ「イライラする」と友人も殴った>
<ゲームを母親に取り上げられた小学6年男子。包丁を手に振り回したため、母親が幼いきょうだいを連れて逃げ出し、警察を呼んで緊急入院させた>
これらは、増田さんが診療所で実際に診察したケースです。海外の研究では、暴力的なゲームなどを長時間続けると、他人の痛みを感じる神経の活動が抑えられ、攻撃性が高まるとの報告もあります。
診断と治療に期待
WHOがゲーム障害を「病気」と定めたことで何が変わるのでしょうか。WHOは今回、国際疾病分類という病気のリストの中に「ゲーム障害」を加えました。日本の病院や診療所は、このリストをもとに検査を行い、薬を出しています。リストに加えられたことで、専門の医師がいなくても診断や治療ができるようになりそうです。また、治療法の開発が進むことも期待されています。 ポチっと応援よろしくお願いいたします。