「ノーフォールト」読後記

先日、紹介した「ノーフォールト」を読み終わりました。
この小説は、緊急帝王切開後の容態が思わしくなく、母体死亡になってしまう事例から、医療裁判になってしまう、というケースの話です。
本書のタイトル「ノーフォールト」は「過失はない」という意味です。
医師に過失はなかったのに、なぜ裁判で裁かれなければならないのか?
ミスではないのに裁判の場で人格を傷つけられ、産婦人科医をやめようとする若い女医さんが主人公です。
現在の日本では、医療事故が発生した場合、医師・病院に過失を認めさせないかぎり、患者はまったく補償が受けられないのです。
このことが医療訴訟を増加させている要因です。
作者は小説を通して、医療賠償制度の提案をしています。
それが『無過失補償制度(ノーフォールト)』です。
この制度は、病院で医療事故が起きた場合、患者側が請求をし、医療過失がなくても患者や遺族に補償を与える制度のことだそうです。
この制度は、過失の有無に関わらず補償を受けられるのです。
ヨーロッパなどの社会制度の進んだ国ではすでに導入されている制度です。
作者の岡井教授は「小説で、患者と医師に大事な心のつながりが薄れてきているということを訴えたかった。多くの患者さんに読んでほしい」と話しています。
患者と医師に大事な心のつながり・・・全く同感です!!
医師に対する信頼感が存在すれば、医療訴訟がこんなに増加しないと思います。


